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高校時代、サッカーが好きだったことから、サッカー部に入部。
けれど、運動は得意ではなく、サッカー部員の中では、一番下手だった。
下手なことが原因で、他の部員から殴る蹴るの強烈なイジメに合う。
なんとか見返したいと思い、練習が終わった後や土日、昼休みも、黙々と一人練習したが、全く上達しない。
どんなに努力しても、周りからは馬鹿にされ、罵倒される日々。
「サッカーが下手なのが、そんなに悪いことなのか・・」
「立場が強い(サッカーが上手い)人間というだけで、努力している人間を一方的に痛めつけることが許されていいのか・・」
自分自身に自信を失くしてしまい、成績でも最下位になるなど完全に落ちこぼれてしまう。
大学生時代は、やりたいことを見つけられず、様々なバイトを転々とする毎日。
悪友に誘われてのめり込んだパチスロで、大負けした時には、借金を背負い電気と水道を止められてしまう。
それがきっかけで、ネットや、本で勉強し、毎日のように、自転車で会津を1周する日々。
会津中のパチスロ店を調査する努力(?)の結果、パチスロだけで生活費と学費を稼げるようになる。
けれど、パチスロで稼ぐことの、虚しさ、社会になんら貢献できない後ろめたさに、全く充実感がない。
貴重な学生時代を非生産的な行為で浪費してしまう。
そして、大学院に進学した後、タンクローリーから追突される交通事故にあう。
結果、左腕が麻痺する一生残る障害を抱えることになり、1年留年。
悪いことは続き、交通事故の際の医療ミスによって、車のフロントミラーが右腕に入ったまま縫合されてしまう(交通事故から1年後に摘出された)。
その後、最初の就職活動を迎える。
当時は就職氷河期だったこともあり、100社以上にエントリーシートを送っても就職が決まらない。
同級生が社会人として働いている中、既に26歳。
「このまま誰の役にも立てないで自分の人生は終わってしまう・・」
卒業後に無職になってしまうのではないかという不安と、フロントミラーが入って腫れあがった右腕の痛みで、ほとんど眠れない日々が1年以上続く。
そんな中、決まったカーナビメーカーへの就職。
入社式では、「死ぬ気で働いて、少しでも誰かの役に立ちたい。」と熱い思いで満ち溢れていた。
けれど、実際に会社で業務を行うようになって目の当たりにしたのは、
元請けメーカーからの無理な納期、突然の製品の仕様変更、値下げ要求が当たり前のように行われる状況の中、同僚が鬱病になるなど、下請けメーカーの過酷な現実。
会社は、一本のネジを1銭でも安くするための血が滲むような努力をし、わずかな利益を捻出していることを知る。
下請け企業に不当な要求をする大企業に強い怒りを感じた。
どんなに働いても社員の待遇は改善されない、どんなに頑張ってもその頑張りが正当に報われない現実があることを痛感する。
そこで、辛い就職活動の経験や「今までの自分の人生を変えたい。」「自堕落だった大学生時代を清算したい。」との思いもあって、働きながら弁理士試験に挑戦することを一念発起する。
朝5:30に起床して、出社時間ギリギリまで勉強
会社の昼休みの時間も勉強
土日・休日もひたすら勉強という日々を開始する。
猛勉強の甲斐もあり、1年目で一次試験に合格。
生まれて初めて、努力が報われるということを心から実感できた。
弁理士として生きていくことが自分の使命であることを信じ、5年目で弁理士試験に合格する。
「これで明るい未来が待っている。これからいいことが沢山ある!」と考えていた。
しかし、合格した旨を会社の上司に報告したところ「企業に弁理士は不要」と一蹴される。
活躍の場を求めて、都内の特許事務所に転職。
これで、弁理士として、お客様のお役に立てるという喜びで一杯になる。
特許事務所では、大企業向けに出願書類を作成するものの、大企業は特許事務所を下請けとしてしか見ていないことを知る。
無理な要求、頻繁に行われる値下げ要求など、大企業から下請けとしての扱いを受ける日々。
どんなに業務をこなしても、自分がやっている業務が企業の利益につながっていることを実感できない。
大企業からの要求通りにロボットのように毎日、出願書類を作成する。
特許事務所での3年半の実務に際して、中小企業を支援したいという気持ちは、日々高まり、独立を決意する。
特許を保有する中小企業の方が、特許を保有しない中小企業よりも、従業員一人当たりの売上が131%高いというデータがある(2009年中小企業白書)ように、特許は、中小企業の努力の結晶である虎の子の技術を独占可能にできる強力なビジネスツールである。
日本の中小企業は、素晴らしい技術力・商品力を持っている。
開業後にサポートした企業は100社を超え、
「特許のお陰で、1億円の受注が決まった」
「営業が楽になった」
「社員が自社に誇りを持ってくれるようになった」
「大企業とのアライアンスが決まった」
などの声が寄せられ、弁理士になって良かったと実感する日々。
企業や人に眠る価値を最大限に発揮させることが自らの使命であると考えている。
現在も「本来の実力や努力が正当に評価される中小企業を1社でも増やす。」ことを信念にしている。
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