特許申請ノウハウ

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ビジネスモデルで数億円稼ぐ特許の3つの共通点

数億円稼ぐ特許とはどのようなものが思いつきますか?
多くの方が、技術的に高度で、開発費にすさまじい額を投入しているようなものを想像するのではないでしょうか?
今回は、数億円稼ぐ特許の3つの共通点について解説致します。

ポイント1 ユーザーメリットが絶大であること

数億稼ぐような特許や技術は、ユーザメリットが大きいです。ユーザメリットが大きいため、この技術がないと、そもそも製品が売れないという状況になり、そのため、その特許を使わざるを得ない状況になります。
上記を、説明するのに際して、まずはライセンス料だけで数億円を稼いだ特許について解説させていただきます。

◆地域ターゲティング

こちらの特許ですが、いわゆる地域ターゲティングとも呼ばれているものであり、
「ユーザ(ネットサーフィンをしている人など)のIPアドレスに基づき、ユーザのアクセス元の地域を判別し、その地域に合わせたコンテンツや広告を出す」というものです。
アクセス地域に合わせたコンテンツや広告を出すことで、例えば、東京の自宅のパソコンからアクセスしているユーザには、東京に所在する歯医者さんの広告を出したりします。また、ユーザのアクセス元の地域に応じた天気情報を表示します。

これによって、より効果的に広告を打てるようになりますし、また、ユーザが求めているコンテンツ(天気情報)を提供できるようになります。

◆地域ターゲティング例

例えば、東京に在住している方に、九州の歯医者さんは広告を出してしまうようなシステムなら、広告を打つ側は誰も使いたがりません。
また、東京からアクセスしているパソコンに北海道の天気を表示しても、あまり意味がないということになります。

◆価値提供

つまり、インターネット上に広告や、天気情報を表示するに際しては、地域情報は必須ということになります。

そのような大きな価値を提供することが非常に重要になります。

ポイント2 シンプルであること

実は、数億稼ぐような特許や技術というのに限って、シンプルだったりします。

例えば、どんなにいいものでも、技術的に高度すぎると、その技術を使う側も難しいですよね。いきなり最先端の半導体技術を真似しようにも、設備的・技術的にも模倣する側のハードルが高く、通常は、そう簡単にはいきません。

つまり、技術的にシンプルであればあるほど、真似する側のハードルは低くなるので、その技術を使いたい人は多くなるということです。また、シンプルでればあるほど、その技術を回避することは難しくなる傾向があります。

上述したターゲティングの特許にしても、内容自体は非常なものであるということがお分かりになると思います。また、同じ技術を利用しようとした場合、大掛かりな設備なども必要ではなく、模倣する側のハードルは非常に低いです。

ポイント3 特許権侵害の発見および立証が容易であること

特許権の侵害の発見が容易でない場合、模倣をされてもそのことを立証することが困難になります。
侵害の発見が容易というのは、どのような状態か?それは、「最終的な結果を、目で見て分かりやすい」ということです。

例えば、複雑なアルゴリズムや計算式をつかったプログラムの特許があったとします。
こちらについては、プログラムの最終的な出力からは、どのような計算式を使ったかが分かりません。そのため、仮に、特許権を侵害されても、特許を取得しているアルゴリズムを使用しているかについての立証は実質的には、難しいということになります。

上記の地域ターゲティングの特許の場合、東京からアクセスしたら、東京の歯医者や、天気の情報が表示されるので、その状態から特許権を侵害しているかを確認できます。

さいごに

上記の地域ターゲティングの特許ですが、数億以上のライセンス料を得ています。
なんと、上記特許のライセンス料を管理するためだけの会社を設立しています。

今回は、数億円稼ぐ特許の3つの共通点とともに、ビジネスの基本となる部分を特許で押さえることによる効果が大きいということを示す事例をご説明させて頂きました。