特許申請ノウハウ

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他人の登録商標と似ていると商標登録できない??

商標申請すると、一般的におよそ30~40%程度の割合で、拒絶理由通知が来ることがあるといわれています。
拒絶理由は色々なものがありますが、
その理由の一つに、「登録済みの商標と同一又は類似だから」というものがあります。

今回は、こんな理由で拒絶理由通知が来た場合、登録にもっていく方法はあるのか?
について、お話します。

「登録済みの商標と同一又は類似だから、商標登録できない」という拒絶理由の詳細

他人が登録している商標は、権利を取得できません。
ですが、これは同一又は類似の商標を、「商標に係る指定商品(指定役務)と同一又は類似の商品(役務)について使用」している場合です。

つまり、「原田国際特許café(架空のお店です)」という名称が、
<飲食物の提供(第43類)>で既に登録されていたとしても、
<セミナーの企画・運営又は開催(第41類)>で出願すれば、何の問題もなく登録されることになります。
これは指定役務(その名称を使用するサービスのこと)が違うからです。

拒絶理由通知を解消して、登録査定を得る方法

では、名称も指定商品・役務も似ていたら、どうでしょうか。
ご想像のとおり、拒絶理由通知が特許庁から届く可能性は非常に高いといえます。
ですが、その名称が以下の種類であれば、理由を解消して、登録にもっていける可能性があります。

それは…

名称自体の「識別力がないか、またはその識別力は極めて低いもの」であること
そして「図案化されている(デザインが加えられている)」こと、です。

識別力がない、というのはイメージがしづらいかもしれません。
例えば、「ハンドマッサージ」という名称。
これは、「手(ハンド)をマッサージする」または「手(ハンド)でマッサージする」程のいう意味あいで、一般に使用されている実情があります。
こういった言葉には識別力がないといえます。

名称自体に、「識別力がないか、またはその識別力は極めて低いもの」である場合、
「図案化された部分」について、同一又は類似であるか、の判断が行われます。

つまり、言葉自体が共通していても、その言葉自体の識別力がなければ、類似しているかどうか判断するには、図案化された部分であって、外観の相違を主張することで、登録済みの商標と非類似だ、と反論することができます。

こういった反論を記載した意見書を提出すれば、登録査定を得る道も開ける可能性があるのです。

(もちろん、使用されている名称、図案の程度により、その可能性の高低は変わってきます。登録可能性がどれくらいあるのか、個々の事案に関する判断は、専門家にご相談した方がよいと思います)

そもそも拒絶理由通知を受け取らないために

拒絶理由通知が来ると、通知に記載されている「登録をすることができない理由」を解消するために、意見書を作成して提出する必要があります。
これには時間も手間もかかりますし、特許事務所に依頼している場合には、追加料金も発生します。

まずは、拒絶理由通知を受け取らないために、事前の調査をしっかり行いましょう。
特許事務所に依頼する場合には、きちんとした調査報告書を提出してくれる事務所を選ぶことをおすすめします。