特許申請ノウハウ

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出願した商標は変更できる?

商標出願をした後、もっといいサービス名を思いついたり、
違う名前に変更したくなったことはありませんか?
この場合、出願した商標を、簡単に変更や修正することができるのでしょうか。

1.出願後の商標は変更できるのか

先日、お客さまから「一文字だけ、変更したいのですが」というご相談がありました。
一文字だけでしたら、変更届か何かを提出して、さくっと変更できるのでは・・・?
というお気持ちは、とてもよくわかります。

ですが、残念ながら、出願した後に商標を変更することはできません。
商標が一文字でも変わる場合には、出願をし直すことが必要です。

では、なぜ変更できないのでしょうか。
それは、商標登録が「先願主義」をとっているからです。
同じ名称の場合には、早く出願した人に権利がある、ということです。

例えば、もしも変更を認めてしまうと、、、
イ)2月13日に、A氏が「はらだカフェ」を出願
ロ)2月14日に、B氏が「はらカフェ」を出願
ハ)3月15日に、A氏が「はらカフェ」に変更

こんなことが起こった時に、
「はらカフェ」の商標権を、A氏とB氏のどちらが取得できるか分かりません。

実際には、ハ)の変更手続きはできませんので、B氏が「はらカフェ」の商標権を獲得します。

2.補正とは

では、全く修正ができないのかというと、そうではありません。
「補正手続き」という手続きがあります。
ただし、これはあくまで、誤記の訂正や権利範囲をせばめる(減縮する)ことに限られます。
例えば、「はらだカフェ」の指定役務を、
「飲食物の提供」から「アルコール飲料の提供」に変更するなどです。

3.今後、名前を変えるかもしれない場合には

「けれど、顧客の反応や時代に沿った名前に変えていきたい!」とか
「サービスの向上に合わせて名前もバージョンアップさせていきたい!」というように、
今後変更する可能性がある、とお考えの方もいらっしゃると思います。

そんな時は、出願して、登録査定が出た後に、「権利年数」を短期間にしてみましょう。

商標には権利期間があり、登録時に5年間か10年間かを選ぶことができます。
(それ以上の期間は、順次更新料を払って更新していきます。)
名前を変える可能性がある方は、まず権利期間を5年で登録して、
5年後に、今後もその名前を使っていくのか考えた上で更新をするとよいでしょう。
実際に変える場合には、新たに商標出願をすることになります。

逆に、ブランドやサービスが既に確立していて、
しばらくは変えずに使っていく場合には、10年間で登録するとよいでしょう。
商標登録料も安くなりますし、更新手続きの手間も減ります。

4.さいごに

ブランド名やサービス名を決めるときには、思いを込めた名前をつけることも大事ですが、
事前に商標調査をしておくということが非常に重要です。
しっかりとした調査を行っておくことで、商品を作ったり、サービスを開始した後に、
商標権が取れなくて苦労することもなくなりますよ。