補正とは?
補正とは、特許庁に提出した書面を補充、訂正することを言います。
手続の円滑で迅速な進行を図るためには、出願人が初めから完全な内容の書類を提出することが望ましい。
しかし、先願主義の下、出願を急ぐ状況で、提出した書面について一切補正できないとすると、
出願人に酷であることから、補正が認められている。
補正の種類
補正は、大きく分けて、①書誌的事項の補正、②実体的な内容の補正がある。
①書誌的事項の補正
主に願書の記載の補正をいいます。出願人は、出願書類が特許庁に係属している場合に、
補正をすることができます。
②実体的な内容の補正
拒絶理由通知がされた場合、明細書などに記載されている発明の内容についての補正をいいます。
出願人の自由に任せて補正ができるとすると、先願主義に反し、手続の混乱を招きます。
このことから、時期的な制限と内容的な制限が課されています。
これを模式的な表した図が以下になります。
補正の制限
簡潔に説明しますと、まず何時の時点においても新規事項を追加する補正はすることができません( 特許法17条の2第4項 )。
これを認めると後からどんどん色々な発明を追加できることとなり、先願主義に反します。
次に、拒絶理由通知を受けた後は、特許請求の範囲について発明の内容を大きく変える補正はすることが
できません(いわゆる、シフト補正。特許法17条の2第4項)。
最後の拒絶理由等が通知された場合に、特許請求の範囲について補正することができる内容が
以下のように制限されます(特許法17条の2第5項各号)。
(i) 請求項の削除
(ii) 限定的減縮
(iii) 誤記の訂正
(iv)明りょうでない記載の釈明
まとめ
これらの制限に従わない場合には、出願が却下されます。
そのため、弁理士はこれらの制限に細心の注意を払いつつ、日々補正を行っています。