特許申請ノウハウ
Know-how

国際的な企業がどうやって商標を取っているのか

第96回のテーマは

「国際的な企業がどうやって商標を取っているのか」です。

グローバルに展開する企業は、どのようにして

世界中で商標権を獲得しているのでしょうか。

前回に続き、今回は具体的な事例として、

BMWの事例から国際商標の仕組み見ていきましょう。

「グローバル商標」は存在するのか?

前回も申し上げたように、世界中どこでも

自動的に権利が取れるような「グローバル商標」

というものは存在しません。

国際的な商標出願には「マドリッド協定議定書」

という便利な仕組みがあり、窓口一つで

複数の国へ一括して申請することは可能です。

しかし、「その国で権利を認めるかどうか」

を判断するのは、あくまで個々の国(特許庁)です。

つまり、権利を取りたい国を明確に指定し、

それぞれの国のルールに従って手続きを進める

必要があるのです。

BMWはドイツの企業ですが、国際出願を通じて

日本を含む多くの国で商標権を獲得しています。

しかし、日本で「音の商標」が認められるようになったのは

2015年4月のことです。

BMWが最初に国際出願を行ったのは2013年頃

でしたので、ドイツは当初日本を指定してい

ませんでした。

しかし、日本で「音の商標」制度が開始された後、

BMWは「事後指定」という手続きを行うことで、

過去に行った申請を活かしつつ、日本を権利範囲

に加えることに成功しました。

ここで重要なのは、あくまで「追加したタイミング」

で日本に出願したと扱われるという点です。

「過去の申請日」までさかのぼって権利が

発生するような「後出しじゃんけん」は、

世界共通で禁じられています。

BMWはEU全域をカバーする商標権を

持っていましたが、その後イギリスが

EUを離脱(ブレグジット)しました。

企業側の都合ではない政治的な理由で、

いきなり権利が消滅してしまっては

ビジネスに支障をきたします。

そこでイギリスは移行期間を設け、それまでに

登録されていた商標については、

イギリス国内の個別商標として

改めて設定する措置をとりました。

これにより、企業の商標戦略は

政治的な混乱から守られた形となっています。

今回の音の商標は【てれれれん、ピンクフォン】です♪

こちらは韓国の子供向け

エンターテインメント・コンテンツ会社

「The Pinkfong Company, Inc.」が

日本で音の商標の権利を取得しているものです。

日本でイメージしやすい例を挙げると、

NHKの『おかあさんといっしょ』や、

かつて放送されていた『ポンキッキー』

のような番組を制作している企業です。

前回紹介したインテルのケースと同じく、

海外の会社が日本市場において、

音を商標を登録した事例になっています。

では、次回もお楽しみに!

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