自社ブランドにて化粧品の販売を開始したのだけど、ブランド名を真似されないか心配なので、商標を取りたいという相談をよくうけます。

化粧品は、ブランド名が消費者の分野に触れやすく、消費者もブランド名を目印にして商品を購入するという実態があり、ブランド保護のために商標権を取得する必要性が特に高い分野です。

本日は、「化粧品のブランド名を真似されたくない」「商標を取りたいけど、取れるか分からない」という方向けに、ブランド（顧客から得た信用）を守り、安定して化粧品の販売を継続する上での留意事項について、化粧品関連の商標申請を数多く手がけてきた弁理士が解説します。

１． 化粧品の業界の商標申請の状況

１－１．商標調査の重要性

化粧品の分野ですが、これからある商標を取りたいという場合、まずは他人に商標を取られていないかの調査が必須です。
なぜなら、似たブランド名または同じブランド名が既に他人に取られていたということが特に多い分野だからです。
調査をしてみて、「実は商標を取れる可能性が低い・・」ということが、他の分野に比べて特に多い分野と言えます。
理由としては、ネーミングに際して、ブランド名に特定のメッセージや原材料を暗示する用語が選ばれやすいなどが考えられます。

１－２． 同一または類似商標が取られている場合のリスク

既に他人に同日または類似する商標が取られてしまっている場合、以下のようなリスクがあります。

• 名称変更を要求される。
• 差止請求、製品の廃棄請求をされる。
• 損害賠償請求をされる。

名称変更をしてしまうと、せっかく消費者から得たブランドへの認知度が、またゼロからやり直しということにもなりかねません。
また、製品の廃棄処分を要求されてしまうと、せっかく作った製品をすべて処分することとなり、経営へ与えるダメージは図り知れないものになってしまいます。

２． 化粧品のブランド名を決定するに際しての留意事項

２－１．まずは商標調査

ブランド名を決定する前に、まずは、他人に商標権を取得されていないことを調査することがとても大切になります。
ブランド名を決定した後に、「実は他人にそのブランド名の商標権を取られていた」ということが判明してしまうと、名称変更を余儀なくされたりするリスクが高まるからです。

２－２．商標調査のメリット

事前に調査をしておくことで、販売した後に、他社から警告状を送られるリスクを大幅に排除できます。
また、商標申請をし、自らが商標権を取得しておくことで、後で他人から自分のブランドの商標を取られてしまうリスクをゼロにできます。さらに、他人に勝手に自分のブランドを真似されてしまった場合に、その行為をやめさせることが可能になります。

３． 商標の取得可能性を否定する材料がある場合の対応策

３－１．不使用取消審判の請求

商標の取得可能性を否定する材料がある場合であっても、絶対に諦めなければならないというわけではありません。
仮に他人に商標を取得されていた場合であっても、その他人の商標が３年以上使われていない場合は、「不使用取消審判」を請求することで、権利を消滅させることが可能になるからです。

３－２．不使用取消審判の効果

自分と似たブランド名の商標を消滅させることで、この商標について、自らが商標権者となることができるようになります。
ただ、実際に他人が商標を使用している場合には、不使用取消審判の請求ができない点には留意が必要です。

４． まとめ

今回は、化粧品の分野にて、自らのブランド名を守り、安定して事業を継続していくための留意点についてご説明させて頂きました。
ブランド名を決定し、事業を開始する前に、商標調査をすることが重要になります。
そのようなリスクを減らすために、弊所では無料での商標調査を行っております。
お気軽にご相談頂ければ幸いです。