特許申請ノウハウ

Know-how

自分で商標申請するか、事務所に商標申請を依頼するか

1日も早く申請したいというお声を、弊所で頂くことが多いです。
商標申請は、早い者勝ちという性質がある以上、競合他社に先に申請をされたりしないか不安という気持ちは良くわかります。
また、目の前の業務や、経営、従業員の問題などに忙しい社長にとって、本業以外のことに時間を割けないという実情もあります。
一方で、コスト面から自分で申請をしたいという方も多くいらっしゃいます。
本日は、自分で申請した場合と、特許事務所に依頼をした場合のメリットとデメリットについて解説させて頂きます。

1.自分で申請した場合にいて

自分で申請することも可能です。
この場合、指定商品・役務の記載が誤って申請してしまうなどのリスクが発生します。
一度、指定商品・役務の記載が誤って申請してしまうと、後で修正をすることは困難なケースがほとんどです。
このような事態になることを防ぐには、「知財総合支援窓口」への無料相談をすることでアドバイスを得ることが極めて有効です。
また、実際に申請書類を特許庁に提出する際には、郵送ではなく、特許庁の窓口まで持参をすることをお勧めします。
そうすることによって、その場で申請書類の誤りを指摘してもらえるため、ミスを減らすことができます。
メリットとしては、特許事務所への費用が発生しないという点です。
デメリットとしては、ミスが発生する可能性があるという点と、特許印紙代に加えて、電子化手数料が実費として追加で発生してしまうという点が挙げられます。

2.特許事務所に依頼した場合について

まず、商標申請を特許事務所に依頼をすることで、申請までの時間は飛躍的に早くできるというメリットがあります。
処理が速い事務所ですと、取りたい商標と、その商標を何に使うのかを伝えるだけで、即日で申請をしてくれるケースもあります。

毎年、何百件と申請をしている特許事務所にとっては、過去に申請をした案件については情報が共有化されています。
また、過去の蓄積で、とてつもない数の申請を行っているため、新規に受注をする案件については、はじめて担当をするケースであるということは、ほとんどありません。
そのため、例えば、セミナー講師や、教室であれば、「第41類の、知識の教授と、セミナーの開催と、研修の開催と、資格試験の実施と、・・・・を指定すれば良い」
コンサルをさらに行っている場合は、「第35類の、マーケティング、コンサルティング・・・を指定すれば良い」
という形である程度パターンも決まっているケースもあります。

出願の書類を作成してから申請するまでの流れも所内で構築されているため、処理もスムーズであるため、当然、社長が自ら出願書類を作成して申請するよりも効率は良いです。
このように1日でも早く申請をしたい場合や、忙しくて、自分で商標を申請する時間を割けない場合などの場合には、特許事務所を活用することが有効と言えます。

また、ほとんどの事務所では、商標申請前に商標を取得できるか否かの調査をしてくれます。
これによって、無駄な申請をするというリスクを軽減できます。申請をして、拒絶になってしまい、審査結果が出た9カ月に再度出し直しとなると、商標権を取得できる日がかなり先になってしまうというデメリットもあるため、申請前の調査はとても重要です。
また、これから使おうとしていた商標が、実は取られていて警告状を後々送られるというリスクを軽減できます。
また、申請をしてから通常は、審査が完了するまで8~9カ月の期間がかかるところ、早期審査請求という制度を使えば3カ月ほどで審査結果を得ることもできます。
こちらの審査請求は非常に便利なのですが、条件が厳しく、自分で手続きをするハードルが高いというデメリットがあります。
そのため、このような早期審査請求まで検討をしている場合には、まとめて特許事務所に依頼をしてしまったほうが良いというケースもあります。

3.コスト面ついて

大きなメリットとしては、自分で処理をするのに対し、圧倒的に自分が使わなければならない時間を減らせるということです。
知財相談窓口に相談にいく時間や、書類を作成する時間、特許庁に提出する時間については、初めての場合10時間~20時間ほど必要になるかと思います。
仮に、社長の時給が1万円とした場合、10万円~20万円ほどのこすとが発生してしまうことになります。
このような点も考慮した上で、自分で処理をするのから依頼をするのが良いのかを決定することが望ましいと考えます。