皆さんこんにちは。
本日は、一般的な商標登録に必要な費用について、ご説明いたします。
商標申請の費用ですが、基本的には、二度のタイミングで発生し、制度上、少々複雑です。
具体的には、費用ですが、通常以下のタイミングで発生します。
1.商標登録出願時
2.商標登録出願をしてから約11カ月~14カ月後に、特許庁の審査に合格した後
なお、審査に合格しないというケースも稀にありますが、その際には、拒絶理由というものが通知されます。
こちらの拒絶理由に対して反論が可能なのですが、反論をする場合にも費用が発生致します。
以下、各項目について詳細にご説明させて頂きます。
1.出願時費用
こちらには、
(1)調査費用
(2)申請時の事務所手数料
(3)申請時の特許庁費用(実費)
が内訳として発生します。
(1)調査費用とは、ご希望の商標が登録になるか否かについて、専用のプラットフォームを使用して、専門家による判断(商標調査)を行うために必要な費用です。
調査を行いで申請をしてしまうと、すでに他人に申請されてしまっている商標を申請してしまったり、一般的な名称であるにも関わらず申請をしてしまったりということになります。
このような商標を申請してしまうと、拒絶されてしまい、拒絶理由対応に対してかえって費用がかかったり、取れもしない商標を申請してしまったりと、無駄な出費へと繋がってしまいます。
調査に発生する費用ですが、調査完了時に1~5万円が発生するケースもあります。
また、調査費用は事務所によっては申請時の手数料に含める場合もあります。
また、調査を行って申請をしない場合のみに、調査費用を発生させるという事務所もあります。
なお、こちらの調査費用は無料というケースもあります。
弊所では、調査費用は無料にて承らせて頂いております。
(2)申請時の事務所手数料は、特許事務所等(弁理士)が出願人に代わって特許庁に申請手続きを行うために必要な費用です。
こちらは、申請の書類を作成する作業であったり、特許庁に対して電子申請をする作業に対して発生するものになります。
1件あたりの料金で、出願に係る指定商品等の区分数に応じて必要な料金が異なる場合が一般的です。
区分とは、ざっくりと説明をしますと、商品・サービスのカテゴリになります。
例えば、区分は、第3類なら化粧品のカテゴリになります。また、第5類ならサプリメントのカテゴリになります。
こちらの区分ですが追加することが多いのですが、1区分毎に必要な料金を追加する場合が一般的です。
なお、極めて少数ではありますが、1件○○円のように区分の数によって料金を増加させないというケースもあります。
(3)特許庁手数料とは、特許庁が出願手数料として徴収することを法律で規定している費用です。
https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/hyou.html#syutuganryo
こちらは、1区分で申請をする場合には、
特許印紙代が、12000円となります。
こちらの費用は、特許庁に支払うものであるため、仮にご自身で手続きをしたとしても必ず発生するものになります。
また、安くしたりすることができないものになります。
こちらも区分を追加するごとに費用が加算されていきます。
具体的には、区分を追加する場合 1区分ごとに+8600円の費用が発生します。
3.審査合格後の費用
こちらには、
(a)成功報酬費用
(b)特許庁登録料
が内訳として発生します。
(a)成功報酬費用とは、登録査定となった場合の報酬として事務所等に支払う費用です。
例えば、登録の見込みが低いような商標を出願する場合、上述した出願時の事務所手数料を低めにして、こちらの成功報酬を高めに設定する場合が一般的です。
このあたりは事務所の考え方によって異なるので、注意する必要があります。
(b)特許庁登録料とは、特許庁が登録料として徴収することを法律で規定している費用です。
なお、最初の登録料とは別に、10年ごとに更新登録料の支払いも必要になりますので、詳細は以下をご参照ください。
https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/hyou.html#tokyoryou
以上が登録後にかかる費用になります。
なお、弊所の場合、
a.審査合格(登録査定)の場合、弊所費用は、0円
b.商標登録時の特許印紙代が、権利維持期間が5年にて16400円(区分追加の場合 1区分ごとに+16400円)となります。
仮に、審査不合格(拒絶査定)の場合は、b.は発生しません。
また、審査合格(登録査定)後、経営事情の変化などで、商標登録をしない決断をされた場合は、b.は発生しません
ここで、費用を節約できる場合があるのでお知らせします。
それは、登録をご希望の商標が、カタカナとアルファベットの称呼(読み方)が同じ2つの商標の場合です。
(例えば、「ルル」と「Lulu」のような商標の場合です。)
このような場合、その2つの商標は、「同一の商標」とみなされる場合があります。
このような場合には、一つの商標で登録することで費用を節約できます。
(1件でカタカナとアルファベットの実質2件分をカバーできることになります)
ただし、この「称呼同一とされるか否かの判断」は非常に難しく、下手をすると思わぬ手間や時間を要し、最悪の場合、ご希望の商標登録が阻害されるおそれもあります。
ぜひ、専門家である弁理士にご相談いただければと思います。