特許申請ノウハウ

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立体商標「ペコちゃん」

全国的に有名な洋菓子店の入り口にいつも立っているかわいらしい舌を出した女の子、といえば皆さん「ペコちゃん」の人形を思い浮かべると思います。

「ペコちゃん」が誕生したのは1950年(昭和25年)のことで、看板商品の一つである練乳のソフトキャンデーの商標にも採用されたことや、男の子の「ポコちゃん」(ボーイフレンドだそうです!) とともにそのかわいらしい姿は洋菓子店の大成功とともに一躍有名になりました。

ただし、有名になったものの宿命で、他の菓子店をはじめとする食料品店が全国的に有名な「ペコちゃん」にあやかって、類似した女の子の人形を店頭に置く可能性は避けられません。

そこで1996年(平成8年)商標法が改正され、立体商標登録が可能になったことから、本家の洋菓子店は「ペコちゃん」という名前だけでなく、「ペコちゃん」の人形そのものを商標登録しました(登録は1998年)。立体商標の代表例ともなる有名な商標となりました。

そして本家洋菓子店は「ペコちゃん」を大事な箱入り娘として、不正使用されないよう社外に目を光らせており、他社からキャラクターとして玩具などの使用許諾の打診があっても、使用許諾は一切していないそうです。

権利化後においても信用が蓄積された商標をいかに守っていくかも大切だと思います。