特許申請ノウハウ

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【商標】TMマークの使い方「PASTEL MASK(商願2020-066498号)」

昨日のブログで、
「商標登録まで待てない方は、
®マークの代わりに
TMマークを使ってみてください」
と書きましたが、今日は
TMマークの使い方についてご説明します。

まずは、®マークとの違いについてです。

®マークは
「Registered Trademark」の
頭文字「R」を取ったもので、
「登録された商標」を表します。

一方、TMマークは、
「Trademark」を略した記号で、
®マークの「Registered Trademark」から
「Registered=登録された」部が取り除かれ
ただ単に「商標」であることを表しています。
このため、登録されていない商標にも
つけることが出来ます。

先日、ドラッグストアにて
「TM」マークを発見しましたので、
調べてみました。

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新型コロナの流行により、
日常生活に欠かせないマスクですが、
そのマスク売り場に
「PASTEL MASK TM」
という商品がありました。

この商標は、
2020年5月に商標出願されていますが、
ただ単に「パステルカラーのマスク」
という意味合いを表し
一般的に使用されているとして、
拒絶理由が通知されました。
出願人は意見書にて反論しましたが、
その反論が認められず
2021年4月に拒絶査定となっています。
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「拒絶査定」という言葉を見ると、
「詰んだ…」
という印象を受けるかもしれませんが、
決して諦める必要はありません。

拒絶査定の結果に納得できない場合は、
「拒絶査定不服審判」というものを
請求することができます。
通常の審査は審査官1人で審査するところ、
拒絶査定不服審判では、
3人の審判官により審議されます。

「PASTEL MASK」の出願人は、
2021年7月に
拒絶査定不服審判を請求しており、
引き続き、商標登録を目指して
動いていることがわかります。
このため、「PASTEL MASK」には
TMマークがつけられているのですね。

ちなみに、
先日拒絶査定になった鬼滅の刃
「炭治郎・禰豆子・善逸」の図形商標ですが、
拒絶査定不服審判を請求できる期限が
今年の12月中旬頃までとなっています。

こちらもどうなるのか、
今後の集英社の対応が注目されます。