特許申請ノウハウ

Know-how

特許における分割出願とは?

分割とは何か?

分割とは、出願人が二以上の発明を包含する特許出願の一部を新たな特許出願とすることをいいます。

下の図でいうと、出願Aから分割出願Bと分割出願Cをすることができます。

また、分割出願Bから分割出願Dをすることができます。

趣旨

特許出願の分割制度は、公開の代償として一定期間独占権を付与するという特許制度の趣旨を踏まえ、

特許出願に含まれる、発明の単一性の要件を満たさない発明等にもできるだけ保護の道を開くべきだからである。

また、実効的な権利取得の支援及び手続の無駄の解消の観点から、

特許査定後の一定期間及び拒絶査定後の一定期間に特許出願を分割することができることとしたものである。

分割できる時期

分割出願できるのは、①補正できる時期、②特許査定後の一定期間、③拒絶査定後の一定期間に限られている。

①補正できる時期

分割は、補正の一態様と考えられることから、補正ができる時期には、分割をできるものとしている。

②特許査定後の一定期間

実効的な権利取得の支援のためである。明細書には記載しているが、

特許請求の範囲に記載しなかった発明について、権利取得の道を支援するものである。

③拒絶査定後の一定期間

手続の無駄の解消のためである。分割出願をするためだけに、拒絶査定不服審判を請求しなければならないのは、

費用及び時間の無駄だからです。

不適法な分割出願

適正な分割を行なっていない場合、拒絶理由になる訳ではなく、出願時が遡及するという効果は得られない。

ただし、遡及しない結果、拒絶理由に該当することはあり得ます。