第59回のテーマは、
「こんな商標はいやだ(5)
先に申請している商標と
類似しているのは紛らわしいからダメ!」
今回は、よく私たち弁理士が、「商標は
早く出した方がいいですよ。」
と言う最大の理由です!
商標の登録は早い者勝ちです。先に申請した
商標と似ている商標を、似たような分野で
認めてしまうと、私たち消費者や取引している
業者の方に混乱を及ぼすことになるためです。
ただ、まったく同じ商標でも、一方は化粧品の
商品名で、他方は飲食店の看板や店名だとすると、
同じ商標でも登録ができてしまいます。
つまり、異業種で需要者層が異なる場合は、
同じ商標を申請しても、どちらも登録できる
可能性が高いです。
例外はありますが、それに関しては、回を追って
お伝えします。
商標を類似かどうか判断する3つの審査基準は
下記の通りです。
見た目(外観)
どう聞こえるか(称呼)
意味合い(観念)
特許庁の審査官は、これらを総合的に考慮して
登録の可否を判断しています。最も申請が多い商標は、
文字だけで表される商標です。文字商標の場合は
②声に出してどう聞こえるか、どれだけ似ているか
というのを元に判断されます。
5文字~10文字程度の商標で1文字違い、さらには、
その異なる音の母音が同じでなど聞こえ方が似ている
場合は、登録できない可能性が高くなります。
私は「うたう商標弁理士」と文字商標の権利を取得
していますが、例えば、その前に「うたぬ商標弁理士」
や「うたふ商標弁理士」が登録されていた場合は、
私の商標は登録できていなかったかもしれません。
文字商標の場合は、声に出してどう聞こえるか、
というのが最も重要視されるため、「文字が一文字
違うから似ていません!」と反論することはとても
難しいことです。
ただ、先行商標と出願する商標の双方にデザインの
違うロゴデザインがあり、ロゴデザイン以外の文字
部分だけが似ている場合には、類似しないと判断
される可能性もあります。
このことからも、ロゴマークの商標は、見た目や
そこから想起されるイメージも多分に加味される
ことがわかります。そのため、ロゴマーク商標の
場合は、特許庁から似ていると通知されても、
諦めず戦って登録できるケースも多々あり、
私自身も実務でこうした経験しています。
では今日の音の商標シリーズは、夏真っ盛りに
ふさわしいものをご紹介します♪
【金鳥の夏、日本の夏、ドンドンパラパラパラパラ】
大日本除虫菊 金鳥さんです。
こちらは楽譜はなく、下記説明書きがされています。
「本商標は「金鳥の夏、日本の夏」の人の声の後、
仕掛け花火の音が「パン、パラ、パラ、パラ」と
連続して聞こえる構成からからなり、全体で5秒
の長さである。」
これは2017年7月に出願して、翌年6月に登録され
ていますので、特許庁からダメと言われずに
ストレートで登録できています。金長が一般名称
ではないこと、蚊取り線香と花火の音は、特に直接
関係しているわけではないことから、比較的早く
登録できたのだと思います。
「こんな商標は嫌だ」シリーズ、
来月も続いていきますのでお楽しみに♪

