特許申請ノウハウ
Know-how
左側を向いて何かを指さしている、書類を持ったスーツの男性

続・こんな商標はいやだ 異議申立編

第76回のテーマは、

「続・こんな商標はいやだ 異議申立編」です。

商標の審査が終わって、ようやく登録になった

と聞くと、ほっと一息つく方が多いと思います。

長い出願手続を経て、やっと自分の商標が

認められたわけですから、当然ですよね。

ただ、実はそのあとにも、ちょっと気になる

期間が残っています。

登録された商標は公のお知らせとして公開され、

そこから二か月の間、誰でも

「それはおかしいんじゃないか」と

異議を申し立てることができる仕組みがあります。

特許庁で一度は問題なしと判断された商標に対して、

あとから意義ありと言える制度がなぜ用意されて

いるのかというと、審査をする側も人間だからです。

見落としがあるかもしれない、判断が揺れるケース

もあるかもしれない。

そうした部分を第三者の目でチェックするために、

この異議申立という仕組みが用意されています。

公開から二か月の間なら、利害関係のある人に限らず、

誰でも申立ができるというのも特徴です。

ただ、制度があるからといって、

簡単にひっくり返るわけではありません。

実務の感覚としては、異議申立が認められて

登録が取り消されるケースはかなり少ないです。

全体で見ても2割に届かないくらいで、

内容次第では門前払いのように却下されること

もあります。

理由が弱かったり、論理が雑だったりすると、

権利者に反論の機会すら与えられずに終わることも

珍しくありません。

それでも、実際に異議申立の通知が届くと、

気持ちがざわっとするのは無理もないと思います。

特に相手が誰もが知っている大企業だった場合、

名前を見ただけでビビってしまう方も多いはずです。

でも、そこで必要以上に怖がる必要はありません。

大事なのは、中身を見ることです。

異議申立をする側は、特許庁に支払う費用

もかかりますし、弁理士に依頼すれば当然

その費用も発生します。

決してノーリスクで気軽に出せるものでは

ありません。

だからこそ、内容がしっかりしているものもあれば、

とりあえず出してみた、というようなものが混じる

のも現実です。

現場で見ていると、これは苦し紛れだなと

感じるケースも正直あります。

もし通知が届いて不安になったら、

一人で抱え込まずに弁理士に相談するのがおすすめです。

実際に異議申立を経験している立場からすると、

来たからといって、即ピンチというわけではない、

というのが率直な実感です。

音の商標、今回はロート製薬さんの

「肌ラボ」です。

化粧品やスキンケアのブランドとしてすっかり

おなじみですが、実はこの短いフレーズも

音の商標として登録されています。

目薬のアルガードと同じく、

耳で聞いてブランドを思い出す仕掛けが、

ちゃんと権利として押さえられているわけです。

一方で、あの有名な「ロート、ロート」

は、意外にも音の商標としては

登録されていません。

なぜ取っていないのか、取れなかったのかは

はっきりしませんが、ブランディングの考え方や

時代背景も関係していそうです。

こうした話を掘り下げていくと、商標の世界は

制度だけでなく、人の判断や企業の戦略が色濃く

反映されていることがよくわかります。

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