第66回は、
「商標が拒絶されたときにどうする?特許庁への対応方法と意見書・補正の考え方」
をお届けします。
商標の出願をして、特許庁から「これはダメです」
という通知が来ると、そこで一気に気持ちが落ち込んで
しまう方も多いと思います。
ただ、番組の中でもお話ししたとおり、嫌だと言われた
時点で終わりというわけではありません。
むしろ、そこからがきちんと対応するタイミングだ
と考えていただきたいところです。
これまでの回では、なぜ嫌だと言われるのか、
その理由を一つずつ見てきましたが、
今回は「じゃあどうするのか」という実務的な話を
中心にしています。
特許庁からの通知に対して、まず多くのケースで
使われるのが意見書の提出です。
一般名称だからダメ、似ているからダメ、承諾が確認
できないからダメ、といった理由に対して、
本当にそうなのか、こちらの考えをきちんと説明する
書類です。これは造語であることを説明したり、
見た目や音、意味合いの違いから似ていないことを
丁寧に伝えたり、実際に承諾を得ている証拠を提出
したりと、かなり地道な作業になります。

特に全国的な知名度を理由にする場合は、想像以上に
資料が必要になります。審査官は「私は何も知りません」
というゼロの状態から審査をしますので、
世間では有名だと思われていることでも、
すべて証拠として示さなければなりません。
ダンボール一箱分、二箱分の資料を用意することも
珍しくなく、意見書は労力もコストも
それなりにかかる対応だという点は
知っておいていただきたいところです。
一方で、比較的シンプルに解決できるのが
願書の補正です。書類の書き方や区分の指定に
問題がある場合、審査官が「ここをこう直せば
大丈夫ですよ」と案内してくれることもあります。
その場合は、内容を少し修正したり、
一部を削除するだけで登録に進めるケースもあります。
審査段階で対応できれば、時間も費用も
抑えられるので、早めの対応が大切です。

さらに少し踏み込んだ方法として、出願を
分割するという選択肢もあります。
一つの出願の中で、問題のない部分と、
拒絶理由が出ている部分が混在している場合、
問題のないところは先に登録させて、
残りは別の出願としてじっくり検討する、
という考え方です。
すべてを一度に通そうとせず、分けて考えることで、
現実的な落としどころを探ることができます。
もう一つ、似ていると言われた場合に使われるのが、
先に登録されている商標そのものを見直す方法です。
長年使われていない商標が理由で後から出した
商標が登録できないのはおかしい、という考え方から、
取り消しを求める手続きがあります。
商標は使われてこそ意味があるものなので、
ブランドとしての役割を果たしていない商標については、
こうした対応が検討されることもあります。

今回の音の商標は、マイティアCLのCMでおなじみの
フレーズです。
実は二つに分けて商標登録されているんです。
CMでは一続きに聞こえていても、実際の使い方を
考えると、分けて登録しておいた方が使いやすい
場合もあります。音の商標は特に、どう使うのかを
想定した設計が重要だと感じさせられる例です。
特許庁から通知が届くと、つい慌ててしまいがち
ですが、実際には四十日という回答期間が設けられて
います。その間にきちんと考えて、必要であれば
専門家に相談しながら対応すれば、道が開けるケースも
少なくありません。嫌だと言われたからといって、
そこで諦めてしまうのはもったいないです。落ち着いて、
次の一手を考えることが大切だと思います。
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関連記事・過去回
【商標申請が拒絶された場合の対応方法(一般名称編)】
【商標申請の結果はすぐ分かる?】
https://tokkyo-shinsei.com/2018/10/11/applicat
【自分で商標申請するか、事務所に商標申請を依頼するか】
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